わたしのみだし

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暖かく湿った空気滞留か

ドッドッドッ。重低音の絨毯爆撃が襲う、僕は爆風でサーフィンをする。クラブイベントというものに行くのは初めて、あまりの異世界ですっかり好奇の観光客になる。サーフィンなんてしたことないから知らなかった、楽しさの代償は翌日の首と腰にくるんだね。

フロアは3つある。はじめメインフロアがどこにあるのかわからなかったが、奥の黒い壁をぐいと押して暗闇に消えていく人をみて察する。9と4分の3番線かよってワクワクした。でもメインフロアは音がデカすぎて、結局ほとんど小さい方のフロアにいた。

そこはいかにもクラブ。青い暗闇とDJ。波のプールみたい、これが第一印象。しかし波の大きさも多様さもその比ではない。ざくざくと折り重なる波からあのリズムとこのリズム、好みを選んで乗りこなす。異なる周期が描きだすなめらかなリサジュー曲線。かっこよすぎ。そりゃ首もイカれるわけ。

ゆnovationさんの30分は爆撃の喧騒からはなれて疎開先の田舎で聞くおとぎ話のようだった。本物はやっぱり本物なんだな。ピアニカの表現力ときたら。僕も「小学生の時分にピアニカを少々」って音楽履歴に加えようと思う。ありがたくもその後すこしだけご挨拶できたときは爆撃のまっただなか。僕は声をあきらめて指で○を作り、あとは一緒に踊った。

クラブからでたら表現の不自由展をめぐる論争その他でげんなりする。ツイッターなんか見るもんじゃない。不協和音の世の中に押し込められているけれど、テンポがあう僕の友だちには感謝しています。僕が聞き上手ではなく君たちが喋り上手なんだし、僕が怒らないんじゃなく君たちに不条理がないんだよ。ほんとにね。