わたしのみだし

見出しだけでも読んでください

「IT的な思考で経営を」

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福島に来ている。

 

本当は4月1日に旅立つつもりで、実際一部の人にはそのように伝えていたが、新元号の発表を自宅で見たあと外が寒かったから「今日ではない」と思ってやめた。

 

2日も大概寒かったが、行くと言った手前行かざるを得ない。18きっぷを使わないまま取っておくのも惜しい。どこに行くかはあまり考えていなかった。適当に「仙台かな」と言っていたから、北に向かうことにする。色々あって22時ごろ会津若松に着いた。

 

これは余談だが、駅のトイレでウンコをしたところトイレットペーパーが無く、ポケットティッシュで拭くはめになった(そのあと全ての大便器を回ったが、どこにもトイレットペーパーは無かった。替えもない。トイレットペーパーを盗まないで!という張り紙はあった)。

 

 

会津若松に来ることになった色々というのは、ひとつには、寒いということが挙げられる。どこに行こうか決めかねてグーグルマップを眺めながら東北本線を乗り継いでいたところ、電車を降りるたび体が震える。仙台まで北上しようものならいよいよ凍えかねないので、これ以上緯度を上げないように郡山から西に逸れたのである。

 

しかし僕の考えは浅かった。電車は山に向かう。北に行くほど寒くなるのと同じように、山に行くほど寒くなる。むしろ山の方が寒いかもしれない。窓は刺すような冷気を放ち、しまいには雪が降りだす始末であった(日をまたいで夕方まで雪は断続的に降り続けた)。だから会津若松駅に着いてまずやったのは、トイレでヒートテックを二重に着込むことだった(ウンコはこの直後に)。

 

 

会津若松にいいネットカフェがあることを知っていたというのもある。駅からちょっと歩くが、あらゆるサービスが整っている。僕は休学していた頃に日本中のネットカフェを渡り歩き、それをグーグルマップで記録しておいたから、今やネットカフェについてあれこれと調べる必要がない。僕にとってネットカフェに泊まることは、調べなくて良いという理由で、すぐに手が出る選択なのだ。

 

 

しかし一番は、もっとパズル的な理由だった。

 

僕の兄のお嫁さんが結構有名な神社の娘で、3月の末に「全国一の宮御朱印帳」なるものをプレゼントしてくれた。一の宮というのは地域において最も格式高いとされている神社のことで、全国各地にめっちゃある。

 

一の宮」は、平安時代から鎌倉時代初期にかけて逐次、整った一種の社格です。それは、朝廷や告示が特に指定したものではなく、諸国において由緒の深い神社、信仰の篤い神社が勢力を有するに至って、おのずから神社の序列が生じ、その最上位にあるものが「一の宮」とされ、以下二の宮・三の宮・四の宮と順位がつけられたものです。(「全国一の宮御朱印帳」より引用)

 

今回の旅ではせっかくだからどこかで御朱印を頂いてみたかったのだが、この一の宮というのがどれも僕を試すように交通の便が悪いところにある。「旅のついでに」という気持ちでは辿り着けない。ある程度計画的に、一の宮を目的とした旅をする必要があった。

 

「全国一の宮御朱印帳」に記載されている一の宮のうち、今回僕がいけそうなもの(≒かつての陸奥国にあったもの)の候補は、以下のようであった。

  • 八槻都々古別(やつき つつこわけ)神社
  • 馬場都々古別神社
  • 石都々古和気(いわ つつこわけ)神社
  • 志波彦神社(鹽竈神社)

 

このうち志波彦神社(鹽竈神社)には行ったことがあった。御朱印のためだけにもう一度行くというのは気乗りしない。なにより塩釜だから仙台より北にある。寒い。却下。すぐに残りの4つに絞られる。

 

前3つはどれも「つつこわけ」の名を冠していて、その意味も何もよく分からずとも、互いに近くにあることだけは想像できるだろうし、実際近くにある。近くといっても広い日本の、広い地球の中での話で、地べたを這う僕のようなちっぽけな人間から見れば、そのわずか2、3駅分くらいの距離が無限にも等しい。

 

幸いその三社を結ぶようにJR水郡線なるローカル線が通っている(郡山駅水戸駅を結んでいる)が、不幸にも水郡線の時刻表はスカスカで、三度も乗り降りするとなれば一日を潰す覚悟でいなければならない(現在郡山駅では、水戸行9:18発の次は13:45発である。学校に行く中高生と、病院に行くジジババだけが使う)。つつこわけシリーズを攻略したければ、とにかく調べにくいローカルバスの運行状況を調べ、滞在可能時間や歩きにかかる時間、JRとの接続ができるかなど、よく作戦を練ることだ。悔しいが出直そう。

 

残るは伊佐須美神社だ。これは会津若松駅から数駅のところにあり、仙台より南で、近くに類似の一の宮がない(ユニークな神社である)。決まった!

 

神社が決まると、色んなことが次々と決まった。会津若松に行くこと、快活CLUB会津インター店で寝ること、翌朝はナイト8時間パックを延長しないギリギリで出て駅まで歩いてJR只見線に乗ること、参拝が終わったら七日町まで戻ってお土産とか見ること、夜は山奥の温泉旅館に泊まること、そこに予約の電話をすること…。

 

 

以上が郡山駅に着く直前の僕の思考のプロセスです。このように論理的もといIT的に思考することで、僕は西山温泉・中の湯旅館にたどりつきました。

 

では、寝ます。